メイン | 素材にライトPPを採用した「ライトPP個別フォルダー」を発売 »

975GXってどこがスゴイの?

●安いんだからスペックダウン?

「注目の商品」コーナー新設、初めての注目商品は、キングジムが3月に発表した劇的な価格の厚型ファイル975GX。理由はもちろん、売れている、と聞いたので。

もしかすると、2000年代に生き残る紙ファイルの新しい価格水準や仕様水準を示唆してくれているのかもしれない、と、この売れ行き見込み100万冊という化け物のような新人商品について、キングジムに取材を申し込んだ。

ご対応くださったのは、今回も、同社広報室の山口さん(45)。
4月売れ行きもすごいんですって、という取材子の質問に、にこにこしながら、 「ええ、大変好調です。予想通りの売れ行きですね」

何が、そんなに受けているんだろう? やっぱりデフレ時代の価格だから? 「スペックが落ちてませんからね〜、ありがちな低価格品に見られるチープさが無いんです。」

値差なんて感じさせない品質感・スペックで、劇的な低価格だから支持されているのだ。 日本のカジュアルシーンを変えたユニクロも、独特の品質感を維持しながら期待を上回る低価格で提案を重ね、劇的なブームを巻き起こした。

やっぱり、デフレ時代の中心商品ですか? 「実際には、法人向け納品業者さんが、納入先の大手法人様向けに、コストダウンの提案商品としてお勧めになるケースが多いんではないでしょうか」 同社の最も得意とする大手法人向けに、リプレースが進んでいるということなのだろう。

 

975_3ages.jpg
劇的な価格で波紋を呼ぶ975GXと先行商品。
左端が975GX・A4・5cm綴じで\550! 中央が975GN、\700。右端が975N、\900。
価格はメーカー希望標準小売価格(税抜き)。 詳しくは、同社ホームページへhttp://www.kingjim.co.jp/

●安いけど、フル・スペックでした!

価格は975N比で61%の4割安ながら、綴じ厚さ5cm、綴じ具は廃棄時に簡単に取り外せるし、はじめからカラーインデックスもついて、ちゃんと背見出し紙は2枚4色付いてくるか色分類にも困らない!

少なくとも、取材子の目には、スペックの差は無いか、無いに等しいのだから、法人ユーザーが飛びつくのも、いわば当然なのだった。

商品価格サイズ綴厚さ見出し紙インデックス
975N\900A45cm2枚4色5山5色付
975GN\700A45cm2枚4色5山5色付
975GX\550A45cm2枚4色5山5色付

価格はメーカー希望標準小売価格/税抜き、
( いずれもGファイル・ネット調べ)

●安いんだから仕様ダウン?

「A4判5cm綴じ」のファイルは、厚型ファイル全体の実に4割にも迫るという大市場だ。 この大市場の覇者は、当サイトがお名前をお借りしている「Gファイル」の975、現在は「キングファイルG」の975Nである。

この「旧Gファイル群(現キングファイルG)」は、累計生産○億冊という、単独商品では希な生産記録をなおも更新中の化け物商品なのだ。

この膨大な生産累計の上に、975Gが投入されたのは3年前、\700という劇的プライスで、一挙に厚型ファイル市場の流れを変えた商品となった。

さて、低価格化の先輩商品「975GN」と基本商品「975G」の仕様上の差は、なんと「取扱説明書」だったのだという。

「みなさん、使い慣れたファイリングのプロユーザーですから、今さら説明書なんて要らないのではないかと」 同社は、取扱説明書を省いて、「廃棄時の綴じ具の外し方」や「販売時のバーコード」を内張(ライナー)にあたる「裏貼り材」に印刷してしまったのである。

では、 今回はどんな仕様上の工夫がされているのだろう? スペックを落とさないでコストを下げるには、低価格材料を使うなど仕様ダウンしか、無いはずだ。 芯材だろうか? お金がかかっていそうな綴じ具部分だろうか? 板金の厚みが薄くて長持ちしないとか、安いメッキで済ませてあるとか、、、?

ところが、 広報の山口さんがにこにこ笑って教えてくれたタネ明かしは、またも裏貼り材だったのだ!
975GX_inside.jpg
975GXの内側
綴じ具の外し方は、同社お得意の回転式。共通仕様となる「廃棄時の綴じ具の外し方」だけが印刷された裏貼り材には、「販売時のバーコード」が無く、エコマークがしっかり表示されている。

●安いけど、ちゃんとフル仕様でした!

 975Nや975Gをコストダウンするために裏貼りに印刷していた「販売時のバーコード」を、今度は背見出し紙に印刷してしまったのである。

これで「バーコード入り専用裏貼り紙」を印刷しなくても済むようになったから、グンと安くなったのだ。 「他機種と共通の裏貼り紙で済みますから、調達費用がうんと安くなるんです」 ちなみに、「廃棄時の綴じ具の外し方」は他機種にも共通だから、ちゃんと裏貼り紙に印刷されている。
衝撃の価格を実現したのに、分かりやすい「仕様ダウン(?)」はただここだけ!
え〜?  肝心の綴じ具も、芯材も、表装材も、背見出しカバー材も、インデックス材も、、、「安い素材に落としてある」のかと思ってました。
「僅かばかり安くても、100万冊分の別仕様の資材を購入したら逆に高く付いちゃうんですよ。億冊分の資材をまとめて買えば良質素材を安くしてもらえるんです」
共通にしておくことが一番安い、という単純な事実。見えないところで安物素材を使って、というのは、全くの素人の考えだったのだ。

背見出し紙の下端にまでは書き込まないから、ここにバーコードが印刷されていても、困るわけではない。

そういう意味では、実は、どこにも仕様ダウンなんか無いのだった。

975_3ages_lower.jpg 975の3世代の品番表示部
左から背見出し紙にバーコードを取り込んだ975GX、中央が975GN、右が975N

●スペックも仕様も落とさぬ4割安で快走

それって、かなりヤバイことだ!

機能(スペック)も仕様も下げずに価格だけを下げたら、商品の競争力が劇的に上がってしまう。他社品どころか、自社の競合商品すら売れなくなってしまうハズだから。

「ええ、需要集中は実際にはっきり起こってますよ」
山口さんはこともなげに言う。同社には、この需要集中を使って、ほとんどロス無く継続的に「975GXだけを生産する製造ライン」が登場しているのだった。

同社は、出せば単品で100万冊/年は売れるという同社ならではの確実な需要予測に基づいて、かねて準備の通り生産体制・物流体制をこの975GXという戦略商品にシフトしているのだ。
いくら安いからと言っても、だれだって5cm綴じのファイルだけを使うわけではない。
そのとき、たくさん使っている975GXと同じデザインの商品で揃えようとする。
この結果、975GXと同じデザインの「キングファイルG」シリーズは、3cm綴じや8cm綴じの商品を代表に、関連商品がみな売れ行きがアップしているから、増産効果は975GX単品100万冊どころでは済まないのだ。

ユーザーは、ただ経費を節約できるだけで、スペックも仕様も落ちないどころか、使い方・操作方法もデザインまでも同じ、エコマーク取得の環境対応商品975GXへ、全く抵抗無く一斉にシフトしていることだろう。
成熟市場を舞台にしながら、リーディングメーカーらしい見事な戦略商品投入に、この975GXブームはしばらく続くと見ておくのが自然だろう。
975_3ages_standing.jpg
975GXは、極めて戦略的に先行商品とデザイン・スペック・仕様が揃えられ、関連商品への需要シフトを誘っている。
背見出し紙の下端はあまり書き込まれないエリアなので、バーコードの表示もユーザーの邪魔にはならない。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)